コールドプロセス製法の”肌にやさしい”石鹸は、おすすめ?なのかを徹底検証!
「肌にやさしい石鹸を探してるんだけど、コールドプロセス製法って何?その製法で作られた石鹸ってイイの?」とお考えではありませんか?
このページでは、コールドプロセス製法とは何か、コールドプロセス製法で作られた純石鹸のメリット・デメリット、「肌にやさしくて敏感肌の人におすすめなのは本当なのか?」をご案内しています。
無添加石鹸のような肌にやさしい純石鹸を探している方は、ご一読ください。
監修者 岡田伸司 2000年に日本で初めてコールドプロセス製法でオリーブオイル100%の洗顔石けんを開発する。以来、余計なものを一切含まない納得無添加の無添加化粧品を生み出し続ける。化粧水やクリーム、日焼け止め、クレンジングなど、ランキングサイトで1位を獲得する。敏感肌の女性はもちろん「赤ちゃんにも使えるほど肌へ優しい」と好評。Instagramはこちら。 |
肌にやさしい純石鹸を作り出すコールドプロセス製法とは?
「コールドプロセス製法とはどんな製法なのか?」といいますと、製造時に熱を加えないことにより肌にいいモノを自然な形で残すことが出来る、唯一の製法のことです。
そのため冷製法とも呼ばれます。
この製法で作られた石鹸は、製造時に熱を加えないので、天然・自然の成分が劣化することなく丸ごと入れられることができる、とても贅沢な純石鹸といえます。
以前は、この製法による石鹸を生産・販売するメーカーはありませんでしたが、2000年初期に、無添加工房OKADAがオリーブオイル100%の岡田石けんをコールドプロセス製法で生産・販売をしたことで、人気と認知が広まり、今では、様々なメーカーが生産するようになりました。
一般的な石鹸に比べ、この製法による無添加石鹸が求められるようになった理由は、アトピーや敏感肌、乾燥や肌トラブルに悩んでいる人が増えたからです。
コールドプロセス製法の石鹸が肌にやさしい理由
なぜこの製法で作られた石鹸が「肌にやさしい」と言われるのでしょうか?
それは、製造過程で、天然由来の美容成分を取り除かず、自然に石鹸の中にとどめておくことができるからです。
もう少し詳しくご案内しますね。
コールドプロセス製法の石鹸は、低温で原料の良さを損なわないように製造します。
ですので、原料の副産物である天然の保湿剤グリセリン、スクワランなどをそのまま石鹸の中に残すことができます。
一方、一般的な製法では、薬品を使用したり高温で処理するので、製造過程で不純物が石けんの中に残留してしまいます。
そこで「塩析」という不純物を分離させて取り除く工程を行う必要があります。
ある物質の水溶液に塩類を大量に加えてその物質を析出させること。石鹸の製造過程で使われる化学反応。
参照)YAHOO!辞書
コールドプロセス石鹸の原料となる油脂は「オリーブオイル」、「ココナッツオイル」、「ホホバオイル」、「パームオイル」などがあります。
植物性油脂が由来の美容成分はスキンケア化粧品に配合される場合もあるので、美容に詳しい人なら聞いたことがあるのではないでしょうか。
それぞれ次のような特徴があります。
原料油脂 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
オリーブオイル | 抗酸化作用があり、ビタミンEを多く含む。石けんの原料としては定番のオイル。乾燥肌や肌トラブルが多い人向け。 | 洗浄力・保湿力ともに高く、洗顔後のしっとり感が続く。非常にきめの細かいクリーム状の泡が立つ。 | 水切りをしっかりしないと溶けやすくなる場合がある。 |
ココナッツオイル | 免疫向上作用や殺菌作用があり、やや刺激の強いオイル。さっぱりとした使用感で脂性肌向け。 | 泡立てが比較的簡単。安価。 | 刺激が強い成分が含まれるので肌に合わない人もいる。乾燥肌に向かない。 |
ホホバオイル | 低温になると固まる植物性の「ろう」。アミノ酸・ビタミンを豊富に含み、抗酸化作用が強い。 | 保湿成分が肌の皮脂の成分に近く、肌への浸透が良い。乾燥肌でも脂性肌でも使える。 | 肌に合わない人はアレルギーを起こしやすい。溶けやすい。 |
パームオイル | ビタミンEとカロテンを多く含み、免疫力の向上や肌の回復に効果がある。 | 洗浄力が非常に高い。硬く溶けにくい石けんができる。 | 冷たい水では泡立ちにくい。適温が50℃前後のため、乾燥肌に向かない。 |
コールドプロセス石鹸なら、肌に有用な天然由来の美容成分を取り除かず、自然に石鹸の中にとどめておくことで肌をケアできます。
だから、「肌にやさしい石鹸」と言われるんですね。
この中で多く使われているのは美容効果が高いオリーブオイルです。
オリーブオイルを使った石鹸については「オリーブオイルの石鹼の人気の理由と選び方」でご案内しています。
コールドプロセスでオリーブオイル100%の石鹸は、実はとても少ないので、この機会に「肌に優しい石鹼を美容に取り入れたい」とお考えの方は、ぜひ、参考にしてください。
コールドプロセス製法の石鹸のメリット・デメリット
ここまでのご案内で、「肌にやさしいのは何となく分かったけど、具体的なメリットは何?」、「コールドプロセス製法の無添加石鹸にデメリットは無いの?」と疑問に思った方もいると思います。
ここでは、そんな方のために、コールプロセス製法で作られた純石鹸のメリット・デメリットをまとめました。
まずメリットですが、天然由来の美肌成分がたっぷり入っていることです。
コールドプロセス製法の純石鹸は、植物性の油脂が本来持っている「グリセリン」など、保湿効果の高い成分が除去されないので、しっとりすべすべの使い心地を味わえます。
特にオリーブオイル100%のコールドプロセス製法の石鹸には、スクワランも含まれています。
スクワランは美容効果の高い成分ですが、オリーブスクワランはさらに刺激性のない肌に優しい成分です。
「オリーブのスクワランって何がイイの?」という方は、こちらの「オリーブスクワランとは?その9つの効果・効能」で詳しくご案内しておりますので、ご覧になってみてください。
【デメリット1】大量に生産できない
コールドプロセス製法の純石鹸には、「無添加石鹸で、肌にやさしい」という魅力がある反面、いくつかのデメリットがあります。
まず1つ目は、大量生産ができないことです。
コールドプロセス製法はほとんどの工程が手作業で行われ、職人の経験と技術にたよる面が多いので、少量ずつしか生産できません。
また、製造から使用できるようになるまで少なくとも2ヶ月程度の熟成期間が必要です。
そのため販売価格が高価になってしまい、人気商品はなかなか手に入らないこともあります。ドラッグストアなどで市販されていることが少ないのです。
【デメリット2】泡立ちにくい
しっかり泡立てずに洗顔をすると肌を傷つけてしまいますので、どの販売元でも泡立てネットの使用をおすすめしています。
より効果的なコールドプロセス石鹸の使い方3つのポイント
ここまで、コールドプロセス製法で作られた純石鹸の特徴やメリット・デメリットをご案内してきました。
それを踏まえて、「コールドプロセス製法の無添加石鹸を使うには、どんなことに気をつければ良いのか?」について、3つのポイントをご案内いたします。
【使い方のポイント1】保管の仕方に気をつける
石鹸を使った後はしっかりと水切りをして、清潔で乾燥した場所で保管をしましょう。お風呂場に置きっ放しは厳禁です。
【使い方のポイント2】泡立てネットで泡立てる
コールドプロセス製法の石鹸は、泡立てネットを使えば、洗顔に適したふわふわの泡を作ることはできます。
その際、石鹸自体を濡らすのではなく、泡立てネットを少量の水かぬるま湯で濡らしてから泡立てるようにしましょう。
【使い方のポイント3】適温で洗い流す
コールドプロセス製法の純石鹸で洗顔をする際は、水の温度にも気をつけましょう。
温度が高いお湯で洗顔をすること自体がそもそも肌に良くありません。
スキンケアの際に使う適温は普通の水道水の温度~38度くらいのぬるま湯です。
冬のスキンケアや季節の変わり目の肌荒れにお悩みの方は、コールドプロセスの石鹸でスキンケアをご検討ください。
冬のスキンケア方法についてはこちらの「冬だから保湿重視のスキンケアしてるのに、いまいち肌の調子が良くないのは、何が問題?」を、季節の変わり目の肌荒れについては「季節の変わり目に肌荒れしたら、その季節ごとの肌トラブルに適したケアを」をチェックしてみてください。